アメリカの子育てとしつけ
私のステイ先はご夫婦の2人暮らしなのですが、娘さんがフルタイムワーカーなので、平日の夕方はお孫さんがこちらで過ごします。
ご夫婦のお孫さんとの接し方を見ていると、日本とは違う部分が多々あります。
下の子が1才8ヶ月で、話せる言葉はママ、パパ、イエス、ノー、サンク(thanks)くらいです。あとは意味の分からない音を発しています。
しかし、聞く力は私の思っているよりも高いのです。きちんと質問にイエス・ノーで答えます。
つまり、質問をして選択をさせているのです。食べたいか食べたくないか、どの色がいいかなど、親が決めずに子供に必ず聞きます。そして言葉で必ず回答をさせています。
子どもに話しかけるときは簡単な英語なのですが、赤ちゃん言葉のような話し方はしません。「ねんねの時間ですよー」ではなく、「Time to go to bed」、「おいち?」ではなく「Is it good?」といった感じです。
お泊りすることもよくあるのですが、子供を2階に連れていってからご夫婦が5分ほどで下に降りてきたので驚きました。あの元気なお子様たちがそんなにすぐに寝るとは思えなかったからです。
アメリカでは子どもを寝かしつけたりしないそうです。小さな子どもでも、子ども部屋の自分のベッドに寝かせ、寝るまで絵本を読むでも子守唄を歌うでもなく、「愛してるよ、おやすみ」と言ってキスをして部屋を後にします。
そんなの子どもは騒いだりベッドから出てきちゃうんじゃないかと思うのですが、子どもも寝る時間というのを理解しており、大人しくしています。
子どもの理解力は想像以上に高いのだなと日々感じさせられます。
4才の上の子がある日幼稚園へ行きたくないと駄々をこねました。ホストママが「幼稚園に行かなかったらABCや123はどうやって学ぶの?お友達はみんな学んで行くのよ」と言いました。
私は「おばあちゃんに教えてもらうからいい!」と言うのかと思っていたら、その子は3分ほど考え込み「OK」と答えました。
行かなきゃだめなのと押し込めるのではなく、なぜ幼稚園へ行くのか考えさせたホストママがすごいと思いましたし、感情に負けず自分で考えたその子もすごいと思いました。
子どもが机の上にあるティッシュ箱を持ってきてしまったとき、親が取り上げて戻すのではなく、「それはそこの机の上に置いておくもの。戻してもらえますか?」と子どもに真剣に向き合います。子どもが自分で戻したら「ありがとう」と言って、自分で考えて行動させています。
子どもがいけないことをした時はとても厳しいです。おもちゃを投げたり、ご飯の途中で遊ぼうとしたときは「NO!」ととても厳しい口調と表情で注意します。
まだ小さいのだからしょうがないかなぁと私が思ってしまうようなことも、ダメなことはダメだと厳しく注意します。「ダメでしょ」という感じではなく、こっちまでビクっとしてしまう迫力です。
子どもなのでどうしてもどうしても言うことを聞かない時や、泣きわめくときもあります。
そんな時は【タイムアウト】です。
アメリカではよっぽど子どもに手をあげることはありません。タイムアウトで子どもを1人で椅子に座らせます。タイムアウトの時間はおしゃべり禁止、座っているだけです。
この罰はかなり効くんです。椅子から降りるなんて簡単に出来るのにしません。椅子に座ったまま泣きわめいてます。
はじめは足をバタバタさせて泣きわめくのですが、しばらくすると冷静になってきて、親の話をきちんと聞くようになります。
「やめなさいと私が言った時はやめなきゃいけないの。理解できた?」と言うと、イエスと答えて抱きつきます。そして強く強く抱きしめます。
こうしてしつけをしながら厚い信頼関係を築いていくのです。
感情的な子どもに対して感情的に対応するなんてもっての他です。子どもに自分でしっかり考えさせます。
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